1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/04/24(火) 23:21:11.11 ID:qSbSwrSBo
「もうやめたくなりましたか?」
と後輩の声がした。咄嗟に反応できず彼女の顔を見返すと、ひどく不安そうな表情をしている。
最初に視界に入ったのは緑色のフェンスと、その向こうの道路、そこに舞う桜の花びらだった。
俺たちふたりは、どうやら一緒に昼食をとっていたらしい。
後輩の膝の上にはコンビニのレジ袋が置かれていて、彼女はその中からサンドウィッチを取り出しているところだった。
何の話をしていたのかは思い出せない。彼女の切羽詰まった表情を見るに、大事な話をしていたのかもしれない。
俺は一瞬とまどったが、それでも思い出せないものは仕方がないと割り切り、適当にごまかすことを決めた。
「いや」
曖昧に返事をすると、後輩は眉間に皺を寄せる。怒るというよりは訝るような仕草だ。何かしくじったのかと考えたが、それならそれで構わない。
適当にごまかしておけば、大抵のことは問題にならない。要するに、どれだけ上手にごまかすかが問題なのだ。
いつでもどこでも、変わらない。
引用元
後輩「それじゃ、本当にこれでお別れです」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1335277270/