2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/04/22(日) 19:45:16.69 ID:G4eWY/6P0
日は昇っていないので、森の中は泣けるほどに暗い。
が、吸血鬼は夜目が利く。暗闇の中を見てみると、そこには確かに人間の少女が倒れていた。
吸血鬼「たまに散歩でもと思って出かけたら・・・何なんだいこの展開」
厄介だなー、なんて呑気に思いながら近付いてみると、状況はこれっぽっちも呑気な物じゃなかったらしい、意識が無いようだった。
吸血鬼「これは・・・放っといたら確実に死ぬな」
そして少女を担ごうとし、触れる前に手が止まった。
躊躇いが生じた。
自分は、彼女とは違う存在。人に仇為す鬼。そんな化物が──
吸血鬼「──そんな事、知るか」
迷いを振り切り、少女を抱き上げる。少女の体はまだ暖かかったが、この温もりが奪われるのも時間の問題だろう。
散歩、中止。人命救助最優先。
引用元
吸血鬼「誰か倒れてる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1335090864/