2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 02:33:46.98 ID:+scok2Yfo
男「ふぁ~・・・」
友「眠そうだなww昨日遅くまでシコってたんだろww」
男「ふん」ペチン
友「いてっ!」
男「お前と一緒にするなっつーの」
友「叩くなよ~」
男「ふん・・・」
引用元
男「手伝ってやるよ、化物退治」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1340040674/
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 02:35:34.52 ID:+scok2Yfo
友「そういえば聞いたか?今日転校生が来るらしいぜ」
男「どうでもいいな」
友「しかも女の子って話だ!」
男「俺は寝るぜ」
友「人の話は最後まで聞けよ!」
男「・・・ぐぅー」
友「寝るの速いな!?」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 02:39:48.76 ID:+scok2Yfo
先生「お早うございますみなさん。今日は皆さんに転校生を紹介します」
友「起きろ!先生きたぞ!」
男「う~ん・・・」
女「転校生の女です。これからよろしくお願いしますね」
友「めえちゃかわえーwwおい、見ろよ!」
男「・・・」
女「・・・」
目が合ったのは偶然だったのか必然だったのか
今となって分からない
だが、俺の運命の歯車を捻じ曲げたのは間違いなくこの女だろう
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 02:42:03.43 ID:+scok2Yfo
友「女さんめっちゃかわいかったな!俺めっちゃタイプかも!」
男「うるさいやつだな」
友「お前はなんとも思わねーのかよ!」
男「・・・別に」
友「ああ、お前ホモか」
男「ふん」ペチン
友「アッー!」
男「俺はホモじゃない」
友「いちいち叩くなよ!」
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 02:44:45.08 ID:+scok2Yfo
女「くすくす・・・」
男「!?」
女「二人とも面白い人ね」
友「あ、女さん!見てたの?」
女「ええ」
男(俺が油断していたとはいえ、こいつの気配が全く分からなかった・・・)
女「どうかしたの?」
男「・・・別に」
友「質問質問!」
女「なに?」
友「女さんのスリーサイズ教えてください!」
男「ふん」ペチン
友「いったぁ!」
女「くすくす・・・」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 02:49:14.17 ID:+scok2Yfo
女「そんなに知りたいの?」
友「ぜひ!」
女「そうね、なら一万円でいいわよ」
男「金とるのかよ」
女「ええ」ニッコリ
友「今月苦しいのでどうかこれでお願いします!」つ⑩
男「」
女「だめ」ペチン
友「お、俺の十円がー!」
男(やれやれ・・・)
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 02:51:39.16 ID:+scok2Yfo
女「彼、面白いわね」
男「ウザイだけだぜ」
女「そう?私は嫌いじゃないけど」
男「そうかよ」
女「でもね、本当に興味があるのはあなた」
男「・・・」
女「気付いたのはあなただけよ」
男「さて、なんのことだか」
女「とぼけても無駄なんだから」
男「・・・」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 02:58:16.05 ID:+scok2Yfo
男「転校生、一つ忠告してやる」
女「なにかしら?」
男「最近この町で妙な事件が起こってるのは知ってるか」
女「知ってるわ。死体を食い散らかす食人鬼」
男「死体に残った歯型から食ってるのは犯人である人間だ」
女「下品ね」
男「異常だね。夜には出歩かないほうがいいぜ」
女「ご忠告どうも」
男「・・・ふん」
女「・・・」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 03:01:17.88 ID:+scok2Yfo
・・・深夜
男「買い物してすぐ帰るつもりが、立ち読みしてたら遅くなっちまったぜ」
男「速いとこかえらねーとな」
男「・・・ん?あれは・・・」
女「・・・」
男(転校生じゃないか。公園に入って行ったぞ。一体なんのために・・・?)
男「いやいや、俺には関係ないね。あいつがどこぞの男といちゃこらしようが、食人鬼にしゃぶしゃぶされようが・・・」
男「・・・」
男「ちっ、見ちまったもんはしゃーねーな・・・」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/06/19(火) 03:03:00.01 ID:+scok2Yfo
男「たしかこっちのほうへ行ったよな・・・」テクテク
男「・・・」キョロキョロ
女「はぁっ!」
男「!?」
女「せいっ!」
化物「ぎゃあ!」
男(転校生!?それよりあの化物はなんだ!?人か!?)
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:00:46.65 ID:/JrnUHWFo
女「ふぅ、手間のかかる男は嫌いよ」
化物「・・・・・・」
男(ただものじゃないとは思ってたが、これはさすがに予想外だぜ・・・)
女「あーもう、返り血で制服が汚れちゃったじゃないの・・・」
化物「・・・」ピク
男(あの化物、まだ生きてる!)
女「帰って洗濯して、明日までは乾くかしら」
男(おまけに気付いてないときた!ちぃっ!!)ダッ
化物「うぉおお!」
女「え!?」
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:04:15.93 ID:/JrnUHWFo
男「ぜぇい!」ザシュッ!
化物「!?」
男「知ってるか?往生際の悪い男も嫌われるんだぜ」
化物「お・・・が、あぁ・・・」バタン
女「・・・・・・」キョトン
男「あぶねぇあぶねぇ、間一髪だったな」
女「・・・あ、あなた」
男「どうした、漏らしちまったか?」
女「も、漏らすわけないでしょ!!」
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:08:38.15 ID:/JrnUHWFo
女「ただものじゃないと思ってたけど、ふーん、やっぱりね・・・」
男「そりゃこっちの台詞さ。素手で化物とやり合う女子高生なんて初めて見たね」
女「私だってナイフで化物を捌く男子高校生を見たのは初めてよ」
男「・・・まいったな」
女「ま、いいわ。そのことは一旦置くとして、本題に入りましょうか」
男「俺は帰って風呂に入って、いつもの日常に戻りたんだが」
女「か弱い女の子を送りもせず?」ボギボキ
男「は、はは、物騒だからそういうのはやめようぜ」
女「あなたの態度次第ね」
男「ははは・・・・・・はぁ・・・」
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:11:58.62 ID:/JrnUHWFo
女「例の食人鬼事件、こいつを見れば犯人が誰か分かるわね」
化物「・・・」
男「つまり、化物が犯人ってわけね。実に分かりやすい説明だぜ」
女「化物?よく見なさい」
男「ん?・・・これは」
女「所々化物染みてるけど、その正体は私たちと同じ人間なのよ」
男「・・・・・・」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:14:32.19 ID:/JrnUHWFo
男「どうしたら人間がこうなるんだ・・・」
女「改造されたのよ。人食う鬼にね」
男「改造?じゃあ真犯人はそいつってことか」
女「ええ」
男「ひでぇことしやがる・・・」
女「・・・・・・」
男「どうかしたか?」
女「別に・・・」
男「?」
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:15:44.70 ID:/JrnUHWFo
男「んで、おまえはその真犯人を追ってるってわけだ」
女「そ」
男「そうか、頑張れよ。じゃ!」
女「待ちなさい」
男「安心してくれ。俺は見かけどおり口はかたいぞ」
女「手伝いなさい」
男「・・・はぁ」
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:18:44.07 ID:/JrnUHWFo
男「予想はついたけどさ」
女「あらおめでとう。予想があたって嬉しい?」
男「最高にね」
女「あなたのその力、私に貸してくれないかしら」
男「力ってほどじゃねーけどな。ちょっとばかし運動神経がよくて包丁捌きがいいだけさ」
女「常人のそれを遥かに凌駕しているようにみえるけど?」
男「おまえの化物並みの腕力には負けるよ」
女「・・・・・・」
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:21:36.47 ID:/JrnUHWFo
女「私もね、改造されたのよ」
男「・・・」
女「いえ、改造されかけたって言ったほうが正しいわね」
男「どういうことだ」
女「その日はね、いつも通りの日常だった」
男「・・・」
女「学校へ行って、勉強して友達とおしゃべりをしながらお昼ご飯を食べて・・・」
女「放課後は喫茶店で甘い物を食べながらまたおしゃべり」
女「・・・楽しかったなぁ」
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:29:51.66 ID:/JrnUHWFo
女「その帰り道、友達共々拉致されたの」
女「気を失って、薄暗い部屋で私は目が覚めたわ」
男「それで?」
女「ふと横見るとひどく醜い姿をした化物がいた。既に死んでいるみたいだったけど」
女「私は声の限り叫んだ。この事実を目の前の現実を拒絶するように」
女「でもいくら叫んでも誰も助けにこなかった。それにね、叫ぶのって案外疲れるの、ふふっ」
男「・・・・・・」
女「不思議なものでね、しばらくすると余裕が生まれてくるのよ。だからね、観察してみたの」
女「色々な・・・そう、色々なことが分かったわ・・・」
女「自分が手術台の上で縛りつからていることや、かたわらに置かれた血がついたメス」
女「そして、化物が私と同じ制服を着ていて、友達がつけていたものと同じ髪飾りをつけていたこと」
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:33:22.55 ID:/JrnUHWFo
女「それから、誰か入ってきたわ。顔は不気味なマスクをつけていたから分からない」
女「けど、たぶん笑ってたと思う。そうしてこう言ったの」
「君は素質があるようだね」
男「素質?」
女「具体的には分からないわ。でもたしかにそう言った。たぶんこの力のことじゃないかしら」
男「よく逃げ出せたな」
女「腕力は馬鹿みたいにあるから、隙を見てなんとかね」
男「そうかい」
女「あなたの言う通り、私は化物ね。もう人間じゃないんだもん」
男「・・・」
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:35:20.14 ID:/JrnUHWFo
女「ごめんなさい、今言ったことは全部忘れて」
女「化物のことも、真犯人を探す手伝いをしてくれってことも」
女「全部ね・・・」
男「・・・はぁ」
女「溜息なんて随分ね」
男「手伝ってやるよ、化物退治」
女「え?」
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:38:33.06 ID:/JrnUHWFo
男「いや、真犯人探しか?んな話聞いて今さら断れっかよ」
女「・・・・・・」キョトン
男「何呆けてんだ?」
女「意外だなって。まさかあなたが・・・」
男「細かいことは気にすんな。それより真犯人に目星はねーのかよ?何処か潜伏してそーなとことかさ」
女「今のところは皆無。だからこうして夜な夜な深夜のお散歩を楽しんでるの」
男「犯人探し兼化物退治ってわけか」
女「ええ」
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:40:25.45 ID:/JrnUHWFo
男「なら俺はそいつにお供すればいいってわけか」
女「うん、そうしてくれると助かる」
男「頭で考えるのは苦手だからな、そっち方面は任せるぜ」
女「・・・うん」
男「そいじゃ、今日はここで解散ってことでいいか?」
女「そうね」
男「明日の夜はどうすりゃいい?」
女「またこの公園に0時に」
男「りょーかい」
女「・・・・・・」
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/04(水) 18:42:52.21 ID:/JrnUHWFo
男「あ、それからな・・・」
女「なに?」
男「さっき化物だなんて言って悪かったな」
女「・・・・・・」
男「すまん」
女「いいわ、気にしてないから」
男「・・・でも、ごめん」
女「はいはい、もうこの話おしまい!それじゃ学校でね!」
男「お、おい!」
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:23:08.58 ID:oovyPmtzo
男「ふぁ~……」
友「なんだお前、また遅くまで」
男「せいっ」ポカッ
友「った!まだ何も言ってないぞ!?」
男「じゃあなんと言うつもりだったんだ?」
友「遅くまでハッスルしてたんだろ」
男「そいっ」ポカッ
友「てぇ!二回も叩くなよ!」
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:25:33.31 ID:oovyPmtzo
女「おはよう」
男「おっす」
友「お、おはよーございまっす!」
女「ふふ、おはよう友君」
友「女さんは今日もお綺麗ですね!」
女「友君は今日も面白いわね」
友「いや~!」
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:30:59.78 ID:oovyPmtzo
友「……嗚呼、マイビーナス女さん」
男「お前も物好きだな」
友「はぁ!?あれほどの美人を見て君は何も思わんのか!」
男「……とくに?」
友「これだから!これだから朴念仁は!」
男「ま、見てくれはいいと思うが」
友「見てくれだけじゃなく中身も完璧に決まってんだろ!」
男「昨日転校してきたばかりだろ。なんで断言できんだよ」
友「俺の勘がそう言っている!」
男「……そうか」
38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:33:26.29 ID:oovyPmtzo
友「いいか、お前にも分かりやす~く女さんの魅力を教えてやっからよく聞けよ?」
男「手短にな」
友「まずあの艶のいい黒髪!今時あんな美しい黒髪乙女はそうそういないね!」
友「俺は前々から思ってたんだ。茶髪は既に没個性であると!」
男「……zzz」
友「寝るな!」
39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:38:18.56 ID:oovyPmtzo
女「……とこ君……男君!」
男「んぁ?」
女「んぁ?じゃないわよ。次移動教室でしょう」
男「あ、ああ、そっか。すっかり忘れてた」
女「……」ジー
男「ん?どうかしたのか」
女「普段は鋭い目つきだけど、寝起きはあなたもかわいい顔してるのね」
男「ほっとけ」
女「ふふ」
40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:42:17.29 ID:oovyPmtzo
女「深夜のデートの約束、覚えてるかしら、寝ぼすけさん」
男「公園に0時、だろ」
女「はい、よく出来ました」
男「からかうなよ」
女「すっぽかしたら許さないからね」
男「たしかに、後が怖そうだ」
女「どういう意味かしら?」
男「別に。さ、早いとこ行こうぜ。遅刻しちまう」タッ
女「ま、待ちなさい!さっきのどういう意味よ!?」
41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:48:19.15 ID:oovyPmtzo
……0時 公園
男「……」
男「……」
男「まいったな」
男「……」
男(まさか俺のほうがすっぽかされるなんてな)
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:51:00.17 ID:oovyPmtzo
男(あれだけ念を押していたんだ、来られない用事が出来たのかもしれん)
男(携帯の番号交換しておくんだったな)
男「もう半か」
男「……」
男(あと10分待って来なかったら帰るとしよう)
男「……?」
男(この気配は……)
43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 22:52:56.56 ID:oovyPmtzo
男「……」
男(どう考えても人間のそれじゃない)
男「まいったな」
男「出来ることなら、初めてのデートは女性がよかったね。人間のさ」
化物「おぉおおお!!」
44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 23:00:25.38 ID:oovyPmtzo
男「よっと!」サッ
化物「!?」ズガァン
男「攻撃が大降り過ぎるな。が、コンクリートを粉々にする力はさすがだ」
化物「うぅぅ……!」
男「睨むなよ。これでも褒めてるんだぜ?」
化物「うおぅ!」ブン
男「ヒュー、怖い怖い」
45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 23:04:40.62 ID:oovyPmtzo
男(当たったらバラバラだな。ま、当たらないがね)
男「遅い」ササッ
化物「っ!!」
男「そろそろいくか」バッ
化物「!?」キョロキョロ
男「お前じゃ俺の動きにはついてこれないさ」
男「ぜいっ!!」ザン
化物「あがっ!」
男「詰みだ」
化物「……」バターン
46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/12(木) 23:11:40.97 ID:oovyPmtzo
男「化物も意外とモロいな。いや、もとは人間か」
男「……」
男「お目当ての女は来ないし、そろそろ帰るかな」
男「ふぁ~……眠い」スタスタ
54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/25(水) 23:50:37.77 ID:MqvUOWAbo
女「……」
男「おはよう、お姫様」
女「男君…」
男「昨日デートをすっぽかしてくれてありがとう。お陰でごついのと楽しいデュエットが出来たよ」
女「……っ」
男「うん?顔色が悪いな。具合でも悪いのか?」
女「はぁ…はぁ……!」
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/25(水) 23:53:10.65 ID:MqvUOWAbo
女「ぐっ…!」ガクッ
男「女!?」
女「…はぐっ!」
男「一体どうしたってんだ…」
女「……んね、男君」
男「?」
女「ごめんね、男君」
男「!」
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/25(水) 23:57:01.96 ID:MqvUOWAbo
男「!」
女「あ、やっと起きたわね」
男「……?」
女「あなた寝てたのよ。いつも通り机に突っ伏してね」
男「…ああ、そうか」
女「怖い夢でも見たのかしら?ひどい顔してるわ」
男「どうやらそうらしい。生憎夢の内容までは覚えてないがね」
女「ふーん…」
57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/25(水) 23:59:24.87 ID:MqvUOWAbo
男「それはそうと、何か俺に言うことがあるんじゃないのかい?」
女「そうね、おはよう男君」ニッコリ
男「……おはよう」
女「それじゃ…」
男「違う」
女「あら?朝のご挨拶をご所望だったんじゃなくて?」
男「お前な……」
女「ふふ、冗談」
58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:03:18.44 ID:ZFlK/qzoo
男「急用が入って行けなかった?」
女「そ。至極単純な理由でしょ?」
男「いや、まぁ、それはかまわないが…」
女「昨日はごめんなさいね」
男「その急用ってのは例のこととは無関係なのか?」
女「全くね。完全にプライベートな用事だから」
男「そうか」
女「……」
59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:10:05.93 ID:ZFlK/qzoo
男「もうチャイムがなるな。今夜はどうするんだ?」
女「今夜も昨日と同じ時間に公園で」
男「すっぽかされるのはもうご免だぜ」
女「分かってるわよ」
友「うい~っす。え?何々?何の話!?」
男「それじゃまたな」
女「ええ」
友「無視!?それ一番心にくるんですけど!!」
男「せい」ポカッ
友「なんで叩くの!?」
男「ボディランゲージだ」
友「普通に会話してくれよ!」
60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:12:39.93 ID:ZFlK/qzoo
……0時 公園
女「こんばんは」
男「よう」
女「待った?」
男「今来たところさ」
女「ふふ…」
男「どうした?」
女「ドラマみたいなやりとりだなって思ったらおかしくて」
男「そうかい」
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:15:54.97 ID:ZFlK/qzoo
男「さて、まずはどうするんだ?昨日は向こうのほうから会いにきてくれたんだがね」
女「モテモテね」
男「どうせなら女性にモテたいね」
女「実際モテるんじゃないの?男君て黙ってればそこそこイケてるわよ」
男「そりゃずっと寝てろってことかい?」
女「さぁ?ふふ…」
男「やれやれ」
62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:18:53.42 ID:ZFlK/qzoo
女「そうね、まず公園からスタートして学校のほうまで行ってみましょうか」
男「りょーかい」
女「頼りにしてるわよ」
男「そいつは光栄だね」
女「その態度が直れば少しはマシなのにね」
男「何か言ったか?」
女「独り言よ」
63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:21:23.36 ID:ZFlK/qzoo
女「ところで男君てやたら強いけど、前世は仮面ライダーか何か?それとも現役かしら」
男「期待を裏切って悪いが、変身なんて出来ないぜ」
女「そう、残念ね」
男「…ま、家庭の事情ってやつかな」
女「家庭の?」
男「親父にね、色々と仕込まれたのさ」
女「ワイルドなお父さんだこと」
64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:27:35.97 ID:ZFlK/qzoo
女「あのナイフもお父さん譲りだったりするのかしら?」
男「まぁね」
女「あの化物の固い皮膚を切り裂くくらいですもの、何か特別なナイフなのでしょう?」
男「どうだったかな?だた頑丈が取り得のナイフだったと思うが」
女「えぇ?でも現に男君は豆腐を切るみたいにスパスパと化物の身体を切り裂いていたじゃない」
男「どんなものにも切りやすい線ってのがあるのさ。それをなぞってるだけだ」
女「思ったとおりすごいのね、男君」
男「自慢にもならないがね」
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:31:07.42 ID:ZFlK/qzoo
女「…気がつけば、元の公園まで戻ってきてしまったわね」
男「今夜のデュエットはなし、か」
女「そんなにしたかったの?」
男「別に。なければないにこしたことはないさ」
女「私とのおしゃべりだけじゃつまらなかった?」
男「おいおい、当初の目的は犯人探しだろう?」
女「いいじゃない。どうせなら楽しくやりもの」
男「楽しくねぇ…」
女「私は楽しかったわよ、男君とのデート」
男「……へ?」
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/07/26(木) 00:34:27.75 ID:ZFlK/qzoo
女「ふふ、男君でも不意打ちには弱いのね」
男「か、からかったのか」
女「楽しかったのは本当よ?」
男「あー、そうですかい」
女「つれないわね」
男「…ふん」
女「こういう経験なかったから…」
男「うん?」
女「なんでもない!今夜はここで解散にしましょう。それじゃまた明日ね!」
男「ああ、学校でな」
男「……」
男「困ったお姫様だぜ、全く…」
70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 21:45:28.36 ID:Rd5yyIrvo
男「…今夜も異常なし、か」
女「ここのところ目立った被害もないわね」
男「もしかして化物を倒し尽くしちまったんじゃねーのか?」
女「どうかしら……」
男「肝心の犯人像は全く分からないわけだが」
女「……」
男「どうかしたのか?」
女「ちょっと気になることがあってね」
男「事件に関わること?」
女「……」
男「だんまりかい」
71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 21:49:31.68 ID:Rd5yyIrvo
男「さてと、深夜のデートはこれぐらいにしようか。そろそろ魔法が解ける時間だ」
女「あら?私シンデレラだったの?」
男「頭に厄介ながつくがね」
女「光栄ね、ふふ…」
男「また明日な」
女「あ……」
男「うん?」
女「せ、せっかくだしもう少し話さない?…その、ジュースとか奢るし」
男「……」
72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 21:53:23.74 ID:Rd5yyIrvo
女「……な、なによ」
男「まさかお姫様からデート延長のおねだりとはね」
女「別に。もう少し話していたいなって何気なしに思っただけなんだから」
男「そして報酬がジュースか。おまけにお姫様もついてくるんじゃあ断る理由が無い」
女「私がオマケなわけ?」
男「冗談だよ」
女「男君の場合は冗談に消えないわよ」
男「くく、そりゃ失敬」
73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 21:55:52.97 ID:Rd5yyIrvo
女「はい、どうぞ」
男「ありがとう」
女「本当に水でよかったの?」
男「ま、一番これが飲みなれてるからね」
女「私のイメージだと、男君はブラックコーヒーって感じね」
男「あんな苦いもん飲めたもんじゃない」
男「砂糖をたっぷり入れたコーヒーのほうが遥かにいい」
女「お子様ね」
男「なんとでも」ゴクリ
74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:01:14.63 ID:Rd5yyIrvo
女「……」
男「……」
女(話題がない…)
女(そういえば普段意識してなかったけど、男君て有体に言えばイケメンの部類に入るわよね…)ジー
男「……」
女(むしろかなりかっこいいんじゃ…)ジーー
男「そう見つめられるとさすがに照れる」
女「っ!」
男「おいおい、自覚してなかったのか」
女「そそそそ、そんわけないじゃにゃい!」
男「……」
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:02:31.03 ID:Rd5yyIrvo
男「…にゃい?」
女「……っ!!」
男「……」
女「帰りましょうか」
男「え?あ、ああ…」
女「…じゃ」スタスタ
男「……」
男(ああ、噛んだのが恥ずかしかったのか)
76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:10:49.02 ID:Rd5yyIrvo
……翌日 学校
男「……」ボー
男(連日の寝不足がたたってるな。眠くて集中できん)
男(授業中に寝て、睡眠時間の遅れを取り戻すか…)
友「うおぃ!」ブン
男「ん?」ヒョイ
友「避けるなよ!当たれよ!」
男「なんだ、用があったんじゃないのか?」
友「あったよ!大ありだよ!」
男「なら手短に頼む」
友「なら単刀直入に言うぜ!お前女さんと付き合ってるのか!?」
男「……は?」
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:15:02.38 ID:Rd5yyIrvo
男「先生に聞かれた?」
友「お前と女さんによく似た二人を深夜の公園で見たってな!」
男「……」
友「親しい俺なら何か知ってるんじゃないかって聞かれたんだ」
友「もうそれ聞いてびっくりしたぜ!まさかお前に先越されるなんて……」
男「……いや、お前は勘違いをしている」
友「遅くに公園で何してたんだ!?ナニか!?ナニしちゃってのかよぉ!!」
男「ちょっと話をしていただけだ」
友「ちょっと咥えてもらっただけだとぉ!?」
男「……」
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:19:18.81 ID:Rd5yyIrvo
女「騒がしいわね。何かあったの?」
友「お、女さん…」
女「もしかして友君に念願の彼女ができたとか?ふふ」
友「う、うう……うわ~ん!!」ダダ
女「…彼、どうしたの?」
男「今は傷心中なのさ。ほっといてやれ」
女「ということは失恋?気の毒なこと言っちゃったかしら」
男「平気さ。あいつなら寝て起きれば次の日には忘れる」
女「楽しい人生が送れそうね」
男「どうだろうね」
79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:25:05.87 ID:Rd5yyIrvo
男「実はさっき友から聞いたんだが、秘密の逢瀬が先生にバレたらしい」
女「面倒なことこの上ないわね。やっぱり呼び出しとかされちゃうのかしら?」
男「普通ならそうだろう」
女「…どういうこと?」
男「デート中に人の気配なんてほとんど感じなかったんだ」
女「実際に私たちは見られていないというの?」
男「物騒な事件が起きてるのに夜遅く出歩いてるのは当の犯人さんか、よっぽどの好き物さ」
女「でも何人か通行人とすれ違ったり…」
男「俺が覚えてる限り一人もいなかった」
男「かりにいたとしても気配でなんとなく分かるんだ。ああ、人が近づいてくるなって」
女「……」
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:28:42.70 ID:Rd5yyIrvo
男「ま、この話は憶測に過ぎないがね」
女「…そうとも限らないわ」
男「なにか知ってるのか?」
女「昨日気になることがあるって言ったでしょ」
男「ああ、そんなこと言ってたかな」
女「最近知ったのだけど、この学校っていわくつきらしいじゃない」
男「そうだったかな。そんな話も聞いた気がするね」
女「この敷地、元は旧日本軍の実験施設だったらしいわね」
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:32:54.35 ID:Rd5yyIrvo
女「そこで行われた研究が不死身の兵士を作り上げること…」
男「……」
女「終戦の際に建物は壊されたけど、地下に隠された実験室は今もまだあるって噂よ」
男「あの化物どもはその実験の成果ってわけか。出来すぎやしないか」
女「でも説明はつく、でしょ?」
男「……」
女「犯人がその先生なら、夜の学校に忍び込むのもたやすいだろうし、十分考えられるわ」
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/05(日) 22:40:24.16 ID:Rd5yyIrvo
男「さて、今後の作戦はいかがいたしますか、お姫様」
女「相手は私のことを知っているわけだ、ここは敢えて真っ向勝負にしましょう」
男「単純明快で実に分かりやすい作戦だ」
女「いざってときはこっちには男君ってジョーカーがいるんだから、絶対大丈夫よ」
男「そう過信されても困るな」
女「そう?私は信じてるわよ」
男「……」
女「……」
男「せいぜい期待を裏切らないよう頑張るよ」
女「ふふ、お願いね」
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 12:59:10.34 ID:ddSbdfPRo
……0時 学校
?「……」キョロキョロ
?「……」
男「やっこさん、現れたみたいだぜ」
女「どうやら当たりだったようね」
男「そうかな?もしかしたらただの善良な市民かも」
女「ただの善良な市民はこんな時間にこんな場所にはこないわよ」
男「そうかい」
女「体育館のほうへ行ったわ。追うわよ」
男「りょーかい…」
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:01:41.18 ID:ddSbdfPRo
?「……」
女「体育倉庫へ入ったわね」
男「マット運動でもするのかね」
女「そんなわけないでしょ!」
男「声が大きい」
女「……」
男「悪かったよ、謝る」
女「それにしても、中々出てこないわ」
男「もしかしたらあそこに地下への入り口が?」
女「調べてみましょう」
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:03:18.90 ID:ddSbdfPRo
女「どう?」
男「体育倉庫の中からは人の気配は感じない」
女「なら入っても大丈夫そうね」ガラッ
男「あ、おい」
女「もう入っちゃったわ」
男「これが罠だったらどうするんだ」
女「何かあったら男君が助けてくれるんでしょう?」
男「やれやれ…」
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:04:56.96 ID:ddSbdfPRo
女「本当にいないわね。たしかに中へ入ったのに」
男「窓から出たとか?」
女「それはないわ。窓の鍵はちゃんとかかってるもの」
男「出入り口は俺たちがずっと見張っていたし、奴は何処へ消えたんだ」
女「きっとここに秘密の入り口があるんだわ」
男「探してみよう」
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:08:48.21 ID:ddSbdfPRo
女「男君男君!」
男「なんだ、トイレか?」
女「違うわよ!これ見て!」
男「うん?」
女「跳び箱」
男「見りゃ分かるさ。またがりたいのなら勝手にどうぞ」
女「じゃなくて!これ、動かした後があるの」
男「…本当だ」
女「もしかしたらここに……」
男「……」
女「ビンゴ!地下への入り口よ!」
男「えらくあっさり見つかったな」
女「そんなことどうだっていいじゃない。奴はきっとこの先にいるわ。行くわよ」
男「……」
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:15:09.63 ID:ddSbdfPRo
男「広めの空間に出たな。ここは…」
女「手術室…私が改造された場所…」
男「……!」
女「どうしたの?」
男「何かくる…」
化物「ウォオオオ!」
女「!」
男「これは随分と…いや、でかいね…」
?「くくく…」
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:19:01.18 ID:ddSbdfPRo
先生「ようこそ、我が研究室へ」
男「やっぱりお前が犯人だったのか」
先生「男君、女さん、昼間呼び出したのに職員室へ来ませんでしたね?」
先生「駄目ですよ~。先生の言うことは聞かなくちゃ」
女「扉が!?閉じ込められたわ」
男「どうってことないさ。あいつを片付けてしまいだ」
先生「いけませんねぇ、年上にそんな口の利き方しちゃ。これはお仕置きが必要ですね」
先生「死んじゃうぐらい痛かったりしますけど、これは指導です」ニッコリ
男「御託はいい。さっさとかかってきな」
先生「……やれ」
化物「オオォオオオオ!!」
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:26:52.75 ID:ddSbdfPRo
化物「…!」ブォン
男「こいつ!」
女「男君平気!?」
男「怪我はないよ。しかし、図体のわりに随分速いな」
先生「おやおや、ただの人間が今のをよく避けましたね」
男「思わず成績も上げたくなったんじゃないか?」
先生「そうですねぇ、死ななかったら考えてあげますよ」ニッコリ
化物「オォ!」ブン
男「ちぃっ!」
女(パワー、スピード…今までの奴とは桁違いね…)
94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:31:25.69 ID:ddSbdfPRo
女「こぉんのぉ!!」ブン
化物「……」サッ
女(避けられた!?)
男「右だ!」
女「くっ!」ガキン
男「平気か?」
女「お陰様でガードが間に合ったわ。ありがと」
男「さて、どうする?」
女「ここは協力するしか勝つ方法はなさそうね」
男「だろうな」
女「私に考えがある」
男「聞こう」
女「まず私が…」
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:34:02.05 ID:ddSbdfPRo
先生「何をコソコソと話しているのです。どうせ無駄なあがきに過ぎないのだから大人しく指導されなさい」
女「…で、行くわよ。分かった?」
男「了解、お姫様」
先生「何をごちゃごちゃと。もういいでしょう、トドメを刺しなさい!」
化物「ウォオオ!」
女「いらっしゃいな、木偶の坊!あんたは私が相手してあげるわ!」
化物「…!」ブン
女「がっ!?」
男「女!!」
女「へ、平気よ。これぐらいどうってことないんだから」
先生「……」
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:35:57.83 ID:ddSbdfPRo
女「あんたはこんなもんなの?案外弱いのね」
化物「ウウ…オォオオ!!」ブン
女(きたっ!!)
先生「あいつはおとりです!後ろから本命がきますよ!!」
化物「!!」サッ
女「!?」
男「なっ!?」
先生「後ろの奴から指導してあげなさい!!」
化物「ウォオオ!!」
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:38:30.82 ID:ddSbdfPRo
男「残念」
先生「え…?」
女「本命は、こっち!!」ガン!!
化物「!?」ヨロッ
女「動きが止まったわ!思う存分やっちゃって!!」
男「斬っ!!」ザシュッ
化物「……」
先生「ふ、ふははは!そんなナイフじゃ傷一つ付けられませんよ!
先生「さぁやってしまえ!殺せぇ!!」
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:41:05.16 ID:ddSbdfPRo
化物「……」
先生「どうした?なぜ動かない!?」
男「そいつはもう死んでるからさ」
先生「な、何!?」
化物「……」ドシーン
先生「まさか、こんなことが…」
女「ふぅ、一時はどうなるかと思ったけど、なんとかなったわね」
女「さすが男君。褒めてあげる」
男「そりゃどーも」
先生「……」
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:45:09.63 ID:ddSbdfPRo
先生「ふふ…」パチパチ
男「拍手より成績をあげてほしーんだがね」
先生「まさかあの化物を倒すとは思ってもみませんでしたよ。やりますね、男君」
男「……」
先生「それから34号」
女「私は34号なんかじゃない」
先生「んん?あなた…」
女「黙れ!このまま生きて帰れると思わないで」
先生「ま、いいでしょう。それよりもいいんですか?私を殺してしまって」
男「何が言いたい」
先生「戻りたいんでしょう?人間に」
先生「この薬があれば34号の身体は元に戻ります」スッ
女「!」
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:47:13.96 ID:ddSbdfPRo
先生「おっと妙な真似は謹んでもらいましょうか。過って手から薬を落としてしまうかも?ふふ…」
男「くっ…」
先生「そうそう、そのまま大人しくしていてくださいね?」
女「許さない…」
先生「は?」
女「許さない!!」
先生「ぐはっ!?」
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:48:46.05 ID:ddSbdfPRo
男「お、女!?」
女「このままこいつを逃がすなんて絶対に嫌」
男「でもそれじゃ薬が!」
先生「そ、そうです!34号、あなた人間に戻りたいのでしょう!?」
女「私は女よ!34号じゃない!!」
先生「ひっ!」
男「女、本当にそれでいいのか?」
女「私はどうなってもかまわない…」
男「……」
女「……」
男「なら止めないよ…」
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:50:02.52 ID:ddSbdfPRo
女「私は!今ここに亡き友人たちの無念を晴らす!!」
先生「や、やめ!命だけはぁ!!」
女「あぁあああああ!!」ブン
先生「ぐげっ!」グチャ
男「……」
女「はぁ…はぁ…!」
103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:53:37.21 ID:ddSbdfPRo
男「さ、仕事も終わったし。帰って寝ようぜ」
男「その前にシャワーだな。あったまって疲れを癒そう」
女「…まだよ」
男「うん?」
女「まだ化物が一体残ってるわ」
男「お前、何を言ってるんだ…」
女「見て…」
男「その目は…」
女「そうよ。私も化物になりかけてるの」
男「でもお前は適正があるんじゃなかったのか」
女「力を使いすぎた反動かしらね?ゆっくりだけど、段々化物に近づいていったみたい」
男「夜こなかったのも…」
女「ま、そういうことね」
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:55:30.51 ID:ddSbdfPRo
女「ぐっ…!」
男「女!」
女「近づかないで!」
男「……」
女「本当は自[ピーーー]るつもりだったのだけど、もう身体がいうことをきかないの」
男「無理してたのか…」
女「はは、かっこ悪いわね、ほんと」
男「……」
女「ね、お願いがあるの」
男「断る」
女「あら、まだ何も言ってないけど?」
男「…聞くだけ聞いてやるよ」
女「…私を殺して」
105:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 13:58:59.16 ID:ddSbdfPRo
男「ふざけるなよ…」
女「私は真剣よ」
男「……」
女「こんなことを頼むなんて、謝っても許してもらえないだろうけど」
女「ごめんなさい…」
男「他に方法が…」
女「ないわよ。これが一番なの」
女「私は私のまま死にたい」
男「……」
女「男君はこういうこと上手でしょ?だから私の初めて、あげるわ」
女「どう?言い方を変えたら一発やってみるか!って気になってこない?」
男「…ならねぇよ」
女「ふふ、そっか……」
106:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 14:00:51.77 ID:ddSbdfPRo
女「あぁ…!」
男「女!」
女「お願い、私が私である前にどうか…」
男「……っ」
女「ふぅ…!」
男「女…」
女「何?」
男「俺、お前のこと、けっこう好きだったぜ」
女「本当?実は私もよ」
女「私もあなたのことなんて大嫌い」ニコッ
男「……っ!」ザン
107:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 14:01:53.10 ID:ddSbdfPRo
……翌日 学校
男「ふぁ~…」
友「眠そうだな。目も赤いぞ?昨日遅くまでシコってたんだろ」
男「ふん」ペチン
友「いてっ!」
男「お前と一緒にするなっつーの」
友「叩くなよ~」
男「ふん…」
108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 14:03:36.00 ID:ddSbdfPRo
友「そういえば女さんはまだきてねーのか?」
男「……ああ」
友「あー、早くこねーかなー」
男「……」
友「俺決めたんだ!駄目元で女さんに告る!!」
男「そーかい」
友「もし俺とくっついても恨むなよ!」
男「恨まないよ」
109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 14:06:54.02 ID:ddSbdfPRo
友「あ、一限目移動教室じゃん!やっべ!忘れてた!」
男「アホだな」
友「教室に俺とお前しかいねーから、どーも変だなぁと思ってたんだ」
男「全力疾走すればまだ間に合うだろ」
友「おっしゃ!行くぜ!」
男「ああ」
友「おい、どうしたんだ?今日はいつもに増して変だぞ?」
男「……」
友「言いたくねーなら聞かねーけどよ。お前も早くこいよな」
男「もう少し空を眺めたら行くさ」
友「空って今にも降りだしそうな曇り空じゃねーか」
男「……」
110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 14:08:05.65 ID:ddSbdfPRo
友「俺は先行ってるからな。後からこいよ?」
男「ああ」
友「絶対だぞ!」タタッ
男「……」
男「……」
男「…あぁ、降りだしてきやがった」
男「……」
男「……」
男「空も泣いてら……」
112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/08/18(土) 14:37:10.89 ID:9ljfQU0wo
乙
面白いっちゃ面白いけど
大作の第一部だけ見たようなあるいは起承転結の起と結だけ見たような感じになった
114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 22:55:57.30 ID:ddSbdfPRo
>>112
俺の力不足です!
精進します!!
113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 17:04:47.45 ID:56hEV2iIO
うんこ
114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/18(土) 22:55:57.30 ID:ddSbdfPRo
>>113
うんこ言うのやめてください!!
115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/08/20(月) 21:20:49.99 ID:pK4R684Yo
よかった。だけど誤字やsaga忘れのピーなんかが気になる
ミスは消せる範囲で無くしていくべき。せっかくのクライマックスがもったいない
素の話自体は好きな雰囲気だったから、また読みたい
あとうんこ
116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2012/08/21(火) 16:17:26.86 ID:HMwnJqG6o
頑張った。うんこうんこ
引用元
男「手伝ってやるよ、化物退治」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1340040674/