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男「猫ちゃんと意思疎通をとりたい」


1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:12:04.96 ID:MOKeotDIo



「そんな気持ちで買ったこの猫缶、『ねこのきもち』」

男「なんでもこれを食べさせると、猫の気持ちがわかるようになるとか」

男「猫ちゃーん、ディナーだよー」

猫「ニャーン」

男「よしよし、たーんとお食べ」

猫「」モクモク

男「それにしてもこの猫缶高かったなぁ。『ねこのきもち』って名前に惹かれたんだけど」

男「あれ、でもそんな雑誌あったよな。まぁいっか」

男「どう、猫ちゃん。おいしい?」

猫『結構イケるわ』

男「えっ?」



引用元
男「猫ちゃんと意思疎通をとりたい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1332429124/

2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:13:48.01 ID:MOKeotDIo



男「今ちょっと舌っ足らずで可愛い女の子の声が頭に響いたんだけど」

男「……テレビかな! 愛菜ちゃんの声かな!」

猫『私の声よ! あなたの眼の前にいる! 猫の! それにあの子と声全然似てない!』

男「また脳内に……って猫ちゃん!? 今の猫ちゃんなの!?」

猫『そうよ!』

男「でもまさか本当にこんなことが……」

猫『さっきの猫缶食べたら男と意思疎通できるようになったの』

男「えぇぇ……じゃあこれ幻聴じゃないんだね……? じゃあ今から何か命令するから、そのとおりに行動してみて」

猫『いいわ。なんでも言ってみなさいよ』

男「お手」

猫『犬じゃないわ』ポン

男「でもやってくれるんだ……じゃあ膝に乗って」

猫『いつも乗ってるじゃない……』ストン

男「乗ってくれるんだ……可愛いな」

男「まぁ会話が成立してる時点で意思疎通できてるよね」

猫『だから言ったじゃない』






3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:14:24.97 ID:MOKeotDIo



男「普通に声出して喋れないの?」

猫「ニャーン」

男「あれ? 人の言葉は?」

猫『無理みたいね。あなたの頭の中にしか伝えられないみたい』

男「そうかぁ。まぁでも喋る猫がいたらびっくりされるからいいか」

猫『そうね』

男「あ、もしかしたら俺もテレパシー使えるのかな?」

猫『どうかしらね……ちょっとやってみて』

男「うん」

男『猫ちゃん可愛いよぉ撫で回したいよぉ』

男「伝わった?」

猫『……伝わったわ。ちょっと気持ち悪かったけど』

男「俺の素直な気持ちなのに……」

猫『だったらほら、撫でなさいよ』スリスリ

男「背中擦りつけてくる猫ちゃん可愛い! 撫でるよーもうめっちゃ撫でるよぉ」

猫(ちょっとキモいけど、撫でられるの好きなのよね)






4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:15:08.13 ID:MOKeotDIo



ガチャ

妹「お兄ちゃーん、さっきから何一人で喋ってんのー?」

男「おおう妹か。いやぁ猫ちゃんが可愛くてさー、つい話しかけちゃってた」

妹「きもー」

猫『きもー』

男「きもーとか言うなって。ほら、猫ちゃんとじゃれてるお兄ちゃん可愛いだろ?」

妹「……ご飯だから。下りてきてね」

バタン

男「ちょっとスルーはやめてよー」

猫『そりゃスルーもされるわ』

男「そんなにキモかったか。覚えておこ」

男「んじゃ下いくか。猫ちゃんもおいで」

猫『はいはい』






5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:15:38.06 ID:MOKeotDIo



男「おーう今日はオムライスか!」

妹「お母さんが、料理番組見てたらオムライス食べたくなったんだって」

男「母さんはすぐテレビの影響受けるからなぁ。で、母さんは?」

妹「トイレ」

男「あ、そ」

猫『ねぇ男。それ、おいしいの?』

男『おいしいよ。このチキンライスがいいんだ』

猫『ふぅん』

男『食べてみる?』

猫『ううん。猫が食べるものじゃないわ』

男「あ、そ」

妹「何で二回言ったの?」

男「あ、いやなんでもない」

猫『バカねぇ』

男『言わないで』






6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:16:21.09 ID:MOKeotDIo



男「ふぃー食った食った」

男「コーヒーでもつくろうかな」

妹「あ、じゃあわたしココア」

男「面倒だけどやってやろう」

妹「さっすがお兄ちゃん!」

男『猫ちゃんも何か飲む? 熱々のミルクとか熱々のお湯とか』

猫「フシャー!」

男「おおう!?」

妹「なにしてんのー?」

男「いやぁ、猫ちゃんが私の分の飲み物も持って来いって」

妹「……学校に友達がいないからって、ペットと会話するなんて……不憫なお兄ちゃん」

男「い、いるわい! 少しはいるわい!」

妹「そっ、ならいいんだけど」

猫『友達いないのね……』

男「だからいるって!」

妹「だからわかったって……」

男「あ、いや、その」

妹「ま、なんでもいいけどココアね」

猫『私はお水ね』

男「……はいはい」






7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:16:57.13 ID:MOKeotDIo



男「ほーら、ココアと水だよー」

妹「ありがとうお兄ちゃん」

猫『ありがと男』ニャーン

妹「猫ちゃんはお礼が言えるんだよねー。可愛いねー」ナデナデ

男「そうだな。猫ちゃんは最高に可愛いな」

猫『それほどでもあるわね』ニャンニャン

妹「それほどでもないって言ってる」ナデナデ

男「はっは、それはどうかな?」

妹「猫ちゃんは謙虚なんだよー」

男『そうなんだ、猫ちゃん?」

猫『ええ、私は淑女だから。いつもしとやかで慎ましいわ』ニャーンニャン

男(そんなところも可愛い!)






8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:17:20.08 ID:MOKeotDIo



男「さぁってと。そろそろ寝ようかな」

猫『今日は随分早いのね。いつもパソコンの前で、きもーな顔でニヤニヤしてるのに』

男「ちょっ!? 今までそんな目で見られてたの!?」

猫『ルイズたん』

男「っ!」

猫『ベルたそ~』

男「ッ!?』

猫『ひなだお!』

男「うっ!?」

猫『きもーって感じだったわ』

男「ノオオオオオオオ!」

猫『あら、どうしたの? そんな発狂しちゃって」

男「自分のプライベートな部分がまさかこうして他者から指摘されようとは……」

猫『良かったわね。自分のきもさに気付くことができて』

男「別にキモくたっていいの! そんなところ見てるのは猫ちゃんだけなんだから!」

猫『……それもそうね、こんなきもーなところを知ってるのは私だけでいいわね』

男「で、でも言うほどキモくないよね? ね?」

猫「ニャーン」

男「猫ちゃん!?」






9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:17:54.37 ID:MOKeotDIo



男「歯も磨いたし、寝るとしますか」

猫『……』モゾモゾ

男「えっ? 猫ちゃんもここで寝るの?」

猫『何よ。ダメなの?』

男「いえいえそんな滅相も無い。むしろ暖かくてありがたいくらいだよ」

猫『そう。私も男と一緒だとあたたかいわ』

男「そっか……でも寝返りとか大丈夫かなぁ」

猫『それは大丈夫よ。あなた寝相悪くないから』

男「え、そうなの?」

猫『……そうなの』

男『……もしかして俺が眠ってる時に布団にもぐりこんでた?」

猫「ニャーン」

男「それ可愛くてずるいなぁ」

猫『おやすみ、男』

男「……おやすみ、猫ちゃん」






10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:18:39.29 ID:MOKeotDIo



翌朝 土曜日

男「ふぁぁ、よく寝た」

猫『おはよう、男』

男「おはよう猫ちゃん。土曜なのに早いね」

猫『男の生活リズムに合わせてるからね』

男「あー猫って夜行性だもんね。猫ちゃんは優しいなぁ」

猫『だって夜はあなた寝てるから……鳴いても起きないし』

男「俺は寝付きだけはいいからね。そっかー、じゃあ結構暇してたんだね」

猫『でもそれは過去の話よ。今は夜に眠れるから』

男「それは良かった」

コンコン

ガチャ

妹「お兄ちゃん起きてるー?」

男「今起きたよ」

妹「朝ごはんもうできてるから下りてきてだって。あ、猫ちゃんの分もあるからね」

猫「ニャーン」

男「うーい、じゃあ下いくか」






11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:19:19.47 ID:MOKeotDIo



食卓

父「おはよう」

男「おはよう。そういえば昨日の夜はどうしたの?」

父「飲み会だ」

男「あ、そ」

母「もうお酒臭くて目が覚めちゃったわよ」

父「はは、すまんな」

猫『まだ臭うわね』

男『猫は鼻がいいもんね』

猫『そうよ。だからあなたが一人で部屋に閉じこもって何かやった後も、変な匂いがわかるもの』

男「ええっ!?」

父「どうした男」

男「なな、なんでもないよ父さん。今のニュースがね。ちょっとびっくりしてね」

父「最高気温9度がそんなにびっくりすることだったのか」

男「そう! そうなんだよ! いやーまだ寒いねぇ」

母「もう、それだけで大袈裟よ」

男「は、はは」

猫『ねぇ。あなた部屋で何してたの?』

男『猫ちゃんは知らなくて良いことです!』






12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:20:14.50 ID:MOKeotDIo



猫「」ハグハグ

男「あれ、妹は?」パクパク

母「部活行ったわよ」

男「ふぅん。そうかー」モクモク

母「何か用でもあったの?」

男「いや。ただ、そろそろあいつ誕生日じゃん? 何かプレゼントでも買ってこようかなーって」

父「おお。いいお兄ちゃんだな」

男「まー俺の誕生日の時にプレゼント貰ったからね。こっちもやらないと」

母「いい心掛けね」

男「うん。近々リサーチしてから買いに行くわ。ごちそうさま」

父「じゃあ俺たちも何か買いに行くか母さん。ごちそうさま」

猫『ごちそうさま』ニャーン

母「そうね、そうしましょうか。はい、お粗末さま」






13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:21:06.07 ID:MOKeotDIo



男の部屋

男「とは言ったけど、妹に何をプレゼントしようかなあ」

猫『猫缶でいいんじゃない」

男「それは猫ちゃんが欲しいのでしょ。うーんどうしよう」

猫『私が探りを入れてあげるわ』

男「お、助かるなぁ。じゃあ妹が帰ってきたらそれとなく様子を見てくれる?」

猫『任せて』

男「自信満々な猫ちゃん可愛い!」






14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:21:32.41 ID:MOKeotDIo



夕方

妹「ただいまー!」

男「おかえりー遅かったね」

妹「うん。顧問の話が長くてねー。もう何のタメにもならない話でさ、凄くイライラしちゃった」

男「おおそうか」

妹「ってわけだから、夕飯できるまで部屋で休んでるね。できたら呼んで」スタスタ

男「うーい」

男『……よし。猫ちゃん、ゴーだ!』

猫『任せときなさい』スタタタタ






15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:22:16.20 ID:MOKeotDIo



妹の部屋

妹「ふあー疲れた」ボフ

妹「あーシャワー浴びてからにすれば良かったな……でもベッドから動けない……」

カリカリカリカリカリカリカリ

妹「ん? 猫ちゃんかな?」スタスタ

ガチャ

猫「ニャーン」

妹「珍しいね、こっちくるの。いっつもお兄ちゃんのところなのに」

猫『だって男は話しかけてくれるから……』ニャーン

妹「そっかそっか、ようやくお兄ちゃんのダメダメさに気付いたか」

猫『それは知ってるわ』ニャオン゙

妹「なんてねー。お兄ちゃんはなんだかんだいって優しいよね」

猫『……そうね。この家族はみんな優しいわ』ニャン

妹「いけない。お兄ちゃんの癖がうつっちゃった」

妹「ふぁーあ……ちょっと眠いなぁ」

猫『寝る前に聞きたいのだけど、あなた、いま何か欲しい物とかあるかしら?』ニャンニャンニャーン

妹「じゃあ猫ちゃん。わたしちょっと寝るから」

猫『ちょっと!』ニャン!

妹「あとで遊んで、あげるから……ねー……」

妹「」zzz

猫『……』






16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:22:44.93 ID:MOKeotDIo



猫(……何も聞き出せなかったわ)

猫(まあ、当たり前ではあるのだけど)

猫(それじゃ、部屋に探りを入れようかしらね)


猫(可愛らしい部屋だわ)

猫(ぬいぐるみがいっぱい……ぬいぐるみが好きなのかしら)

猫(枕元にあるクマのぬいぐるみ……かなりくたびれてるわね)

猫(あとは……特になさそうね)

猫(戻ろう)






17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:23:17.97 ID:MOKeotDIo



男の部屋

男「ぷらいべーらあいず ぜいうぉっちにゅー♪」

男「……猫ちゃん、ちゃんとリサーチできるかなあ」

カリカリカリカリカリカリカリカリ

男「お! 猫ちゃん帰ってきた!」スタスタ

ガチャ

猫『戻ったわ。というか、私が入れる隙間開けときなさいよ』

男「おかえり猫ちゃん! ごめんね猫ちゃん! 首尾は?」

猫『上々よ。あの子の好きなものが分かったわ』

男「おおう! さすが猫ちゃん、その好きなものとは!?」

猫『ぬいぐるみよ』

男「あ、ぬいぐるみね。あいつの部屋いっぱいあるもんね」

猫『知ってたの!?』

男「そりゃあね……でもありがとう。参考にするよ」

猫『……』ショボン

男「あぁっ! 猫ちゃん落ち込まないで!」

男「プレゼントはぬいぐるみにするから!」

猫『でも、部屋にあれだけあるのに……」

男「あいつはあれだけ持っててもさらに集めたがるから大丈夫だよ」

猫『そうなの……?』

男「そうだよ。そうと決まれば、来週見に行こうね」

猫『……うん。ありがとう、男』






18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:23:57.61 ID:MOKeotDIo



翌々日 月曜日

猫『男、そろそろ起きないと遅刻するわよ』

男「うーん、声が直接響くからよく聞こえるなあ……」

猫『おはよう、男』

男「おはよう猫ちゃん。ありがとね」

猫『もうごはんできてるって妹が言ってたわ』

男「おぉそうかあ。じゃあ下いこっか」

猫『ええ、私もうおなかペコペコよ』

男「待っててくれたの? 優しいね猫ちゃんは」

猫『もう、そんなこといいから。先に行くわよ』スタタタタ

男「あ、待ってよー」






19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:25:12.47 ID:MOKeotDIo



食卓

母「もう妹はとっくに家でたわよ。時間あるの?」

男「うん、でもまだ余裕あるから大丈夫」

男、猫「『いただきます』」

TV『――きょうはカラッと晴れて過ごしやすい一日になりそうです』

男「今日はいい天気だなあ」モシャモシャ

猫『そうね。ひなたぼっこしたらとても眠くなりそうなお天気だわ』ハグハグ

男「最高だろうなー。でもまだちょっと寒いかな」

母「何が最高なのよ」

男「え、あ、ひなたぼっことかさ」

母「脳天気ねぇ。でもあんた授業はちゃんと受けるのよ」

男「わかってるって。ごちそうさま」

猫『ごちそうさま』

母「はいお粗末さま」






20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:25:38.54 ID:MOKeotDIo



男「じゃ、いってきまーす」

母「いってらっしゃい。あら、猫ちゃんも行くの?」

猫『ちょっと食後にお散歩を』ニャーン

男「散歩したいんだって。母さん家にいるよね?」

母「家にいるから大丈夫よ」

男「じゃあ行くか猫ちゃん」

猫「ニャーン」

母「気をつけて行くのよ」

男「うーい」






21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:26:09.84 ID:MOKeotDIo



猫『陽射しが気持ちいいわね』

男「そうだねぇ。こんな日に学校なんて嫌になるねぇ」

猫『じゃあ私と一緒にお散歩しましょうよ』

男「そういうわけにもいかないんだよねぇ。休みの日なら付き合えるんだけどねぇ」

猫『そう。なら仕方ないわね』

男「うん。ごめんね……じゃあ、そろそろ学校着くから」

猫『わかったわ。帰ってきたらちゃんと私の相手するのよ』

男「それはこっちからお願いしたいくらいだよ。じゃあまたね」

猫『うん。またね』


猫(男がいないと暇だわ)

猫(男の学校の近くで、ひなたぼっこでもしてようかしら)

猫(でもあんまりいい場所がないのよね)

猫(家に帰って、母に相手してもらおう)






22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:26:53.41 ID:MOKeotDIo



猫(いつもどおり裏口から)

カリカリカリカリカリカリカリカリ

母「あら、猫ちゃんかしら」

猫(裏口のドアはこのカリカリがよく響くのよね)

ガチャ

母「おかえり猫ちゃん」

猫『ただいま』ニャーン

母「はい、じゃあ足拭きましょうねー」

猫『くすぐったいわ』ニャンニャン

母「はいOKよ」

猫『ありがと』ニャーン


猫(やっぱり男以外には通じないみたいね)

猫(でも会話をしている気分だけでもいいのよね)

猫(意思を汲み取ろうとしてくれるだけで、私はあたたかい気持ちになる)

猫(この家に来て良かった)






23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:27:40.40 ID:MOKeotDIo



男「ただいまー」

猫『おかえり、男』

男「お、猫ちゃんがお出迎えなんて嬉しいね」

母「おかえり、お母さんもいるわよ」

男「うぉ! ただいま母さん。どうしたのふたりして」

母「なんかね、猫ちゃんが玄関から離れなくてねぇ」

母「あんたの帰りを待ってたみたいね」

男「ええ!? それは可愛すぎるでしょ!」

猫『違うのよ。ここは日当たりがいいのよ。ほんとうそれだけだから』ニャンニャンニャーン

母「ほら、すごく嬉しそうじゃない」

猫『違うからね。ここ日当たりスポットだから』ニャンニャン

男「おぉ! ほんとに嬉しそうだね! そんなに寂しかったのかぁ猫ちゃん!」

猫『ちょっと!? あなたは聴こえてるでしょ!?』

男「照れちゃってもう! ほらっ」ダキアゲ

猫『ふぁっ。 おとこ!』ニャ!ニャン!

男「うーんもう可愛いなぁ。もふもふで可愛いなぁ!」ホオズリ

猫『ぁん、ちょっとっおとこっ! いきなり、すぎっ!』

男(やばい、今ちょっと興奮した)






24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:28:14.83 ID:MOKeotDIo



猫『もう。ちょっとは加減してほしいわ』

男「いやーごめんね。つい」

猫『ま、いいわ。男が私にメロメロなのわかってるし』

男「もう! この小悪魔さんめ!」

猫『ふふん。だから私に高級猫缶を貢ぐといいわ』

男「さってと、宿題でも済ませるか」

猫『ちょっと!』






25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:28:47.57 ID:MOKeotDIo



リビング

男「猫ちゃんを膝にのせて見るテレビは最高だなぁ」ナデナデ

男「けど、この時間はニュースばっかりだ……」

猫『男はアニメしか興味ないものね』

男『そんなことないわい! すぽるととかGoing!とか好きじゃわい!』

猫『ふぅん』

男『あ、これ信じてないね』

猫『そうね』

男『そっかー。まあその時間は猫ちゃんはおねむだもんねぇ』ナデナデ

猫『バカにしないでくれるかしら?』

男『ほう? じゃあ次の土曜日一緒に見ようねー。亀梨君見ようねー』

猫『亀を見るくらいなら星を見るわ』

男『星もいるから大丈夫だよー』ナデナデ






26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:30:03.97 ID:MOKeotDIo



妹「ただいまー」

男「おかえり」

母「おかえりなさい」

猫『おかえり、妹』ニャーゴ

妹「友達とお話してたら帰り遅くなっちゃった」

男「おつかれ。そういえば、春休みは結構部活あるの?」

妹「もういっぱい入ってるよぉ。遊びたいよぉ」

男「そいつはご愁傷さまだね」

妹「お兄ちゃん春休みいつから?」

男「あさってから。妹は?」

妹「いつだったかなぁ。来週はまだ授業あったはず。ずるいよお兄ちゃん」

男「はっはっは。そこは高校生だからな。中学生はもっと頑張りなさいってこった」

妹「ちぇー。はぁ、着替えてこよ」






27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:30:55.74 ID:MOKeotDIo



猫『妹の部活って?』

男『バスケ部だよ。常に走りまわってるスポーツだね』

猫『ふぅん。私には合わなそうね』

男『猫ちゃんはのんびり屋さんだもんねぇ』

猫『時には機敏に動けるわ』

男『ほう?』

猫『……ま、お見せする機会がないだけのことよ』

男『そっかそっか。なら仕方ないよねー』

猫『あなた、信じてないわね』

男『うん』

猫『ネコじゃらしを前にすれば、私も韋駄天さながらの敏捷さを見せるわよ』

男『もー猫ちゃんったらネコじゃらしで遊んで欲しいならそういえばいいのに、可愛いねぇ』

猫『バカにしないでくれるかしら?』

男『あ、じゃあネコじゃらしで遊ばなくていいよねー。このままテレビ見ようねー』

猫『誰もそうは言ってないじゃない。だから、私が閃光さながらの動きができるってことをね、あなたが信じていないようだから、ネコじゃらしでそれを証明しようってだけなのであってね』

男『うんうん分かったよ。じゃあちょっとネコじゃらし持ってくるから待っててねー』

猫『最初から素直にそうしてればいいのよ。まったくもう』

男(可愛すぎ!)






28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:31:46.62 ID:MOKeotDIo



男「ほーれほれほれほれほれ」フリフリフリ

猫「」ササササササササ

男「ネコじゃらしに無我夢中になる猫ちゃん可愛い!」

妹「可愛いねー」

猫「」シュタタタタタタタタ

猫『ふぅ、堪能したわ』

男「かなり俊敏だったね猫ちゃん」

妹「いっつものんびりしてるのにね」

猫『これが私の本気よ。見直したかしら?」ニャンニャーン?

男『うんうん。お見逸れしました』

妹「もっとやってほしいって言ってるよ?」

猫『えっ?』

男「お、そうなのか猫ちゃん? よーしもっと振っちゃうぞー」

猫『いや、あの、もう、ちょっと体力が、ね?』

男『このままじゃ妹が幻滅しちゃうかもなぁ』フリフリフリ

猫「」サササササササササ

妹「ほらね?」

男「そうみたいだね。ほーれほれほれほれ」フリフリフリ

猫『あとで覚えておきなさいよ……!』サササササササササ






29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:32:13.82 ID:MOKeotDIo



母「ご飯だよ。運んでー」

男、妹「はーい」

猫『私のディナーもね』ニャーゴ

男『わかってますよお嬢様』

猫『一番高級なものよ、奴隷』

男『執事とかじゃないの!? 奴隷!?』

妹「どうしたのお兄ちゃん? なんか凹んでるみたいだけど」

男「いや、なんでも、ないよ……ちょっと世界観が違くてね」

妹「?」






30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:32:44.32 ID:MOKeotDIo



男「父さんは?」

母「今日も残業みたいだから。先に頂きましょ」

母「いただきます」

男、妹、猫「いただきまーす」ニャーン

男「ねぇ、母さん」

母「なに?」

男「このコロッケってコーン入ってる?」

母「入ってるよ」

男「Oh……妹、このコロッケを進呈しよう」

妹「お兄ちゃん、好き嫌いはダメだよ」

猫『高校生にもなって恥ずかしいわね』

男「うぐっ!? はは、いやなに。好き嫌いとかじゃなくて、ほら、妹コロッケ好きだろ? 単純に妹に喜んでもらいたくてさー」

妹「好きだけど、お兄ちゃんのコロッケを取っちゃうのは心苦しいからいいよ」

猫『見苦しいわね』

男「ふぐっ!? そ、そうか。妹は優しいなぁ……」コロッケパクー

男「ま、言うほど苦手じゃないけどね。ただ、アリかナシかで言えばナシってだけで」モグモグ

妹「そうなの」

猫『なーんだ。面白く無いわね。食べたくなくて泣き叫ぶところを見たかったのに』

男『それこそ見苦しすぎるよっ!』






31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:34:06.26 ID:MOKeotDIo



父「おーう、帰ったぞー」

母「あら、おかえりなさい」

男、妹、猫「おかえりー」ニャーン

父「あ、もう先に食べてるな。ちゃんとお父さんの分のコロッケあるんだろうなー?」

妹「ごめんね。わたしが食べちゃった」

父「えっ? 妹、食べちゃったの……?」

妹「うん、だってお父さん帰り遅いから」


猫『……食べてないわよね?」

男『うん。妹は父さんをからかうのが好きだから』


父「そ、そうか、ごめんなあ帰るの遅くて……妹寂しかったのかあ」

妹「ううん、別に」

父「!?」

母「ごめんなさいね、あなた。……今日はふりかけとサラダで」

父「!?」

男「あ、ごめん父さん。もうお米はないから」

父「!?」

猫『私ので良ければこのディナーわけてあげるわ』ススッ

父「」

父「……ありがとね猫ちゃん。じゃあちょっと貰うね」パク

男、妹、母「食べちゃってる……」

猫『どう? なかなかイケるでしょ?』ニャーン?

父「……うぇ」

猫『!?』






32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:35:10.28 ID:MOKeotDIo



男「いやー面白かった! あの父さんの反応!」

妹「いっつもあんな反応してくれるからいいよね。からかいがいあるよね」

男「うんうん。猫ちゃんのご飯食べた時とかもうね。やばい思い出して笑っちゃう」

妹「ほんとにね。あははは!」

猫『……私のディナーを食べといて、うぇって何よ。うぇって」

男『まー味覚が違うからね。それにしてもあの時の猫ちゃんの反応!』プークスクス

猫「フシャー!」

男「おおう!?」

妹「しっぽでも踏んだの? お兄ちゃん」

男「地雷を踏んだみたい」

妹「?」






33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:35:47.01 ID:MOKeotDIo



数日経って、土曜日

猫『男っ! 起きなさい!』

男「うーん……? どうしたの猫ちゃん……今日は土曜だよー……?」

猫『ぬいぐるみ! お出かけ!』

男「あー思い出した。よし! 起きよう!」バサッ

猫『今日もいいお天気よ』

男「お、本当だ。カーテンの隙間から日が差し込んでるね」シャー

男「おー眩しい。絶好のお出かけ日和だ」

猫『はやくっ! 朝ごはん食べて出掛けましょう!』

男「オーケー! となれば下へ行こう!」

猫『先に行ってるわ!』スタタタタ

男(テンション高い猫ちゃん可愛い!)






34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:36:14.49 ID:MOKeotDIo



バタバタバタバタ

母「あら、今日は早いのね。おはよう」

男「おはよう! 今日例のものを買いに行こうと思ってね」

母「そう。いいものを選んでくるのよ。ちなみにお母さんたちはもう買ってあるから」

男「かぶらなきゃいいね?」

母「大人の財力をなめちゃだめよ?」

父「というかお父さんのね」

母「あら起きたの。おはよう」

父「おはよう。母さん、朝飯」

母「はいはい。男も食べるわよね?」

男「うん。頼むわ」






35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:36:40.39 ID:MOKeotDIo



猫『遅いわよ男! ご飯くらい5秒で食べなさいよ!」

男『そりゃ無理ってもんでしょう』

猫『それもそうね』

男『切り替えが早いよね……』

猫『私は淑女だからね』

男『へー』

男「ん、食べ終わった。ごちそうさま」

母「はいお粗末さま」


男「よーし準備万端。行くか猫ちゃん!」

猫『ええ、行きましょう!』






36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:38:12.22 ID:MOKeotDIo



男「いってきまーす」

「いってらっしゃーい」

男「さてと、とりあえずデパートに行こうか」スタスタ

猫『あの大きな建物?』テクテク

男「そうだよ。あそこにならあるでしょ」

猫『楽しみね』

男「そうだね」






37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:38:40.16 ID:MOKeotDIo



デパート近く

男「よし、猫ちゃん。そろそろリュックに入ろうか」

猫『……えっ?』

男「いやほら、ペットって普通入れないからね」

猫『……そうよね。普通入れないのよね』ショボン

男「でもバレなきゃ大丈夫。この世界では」

猫『そうなの?(この世界?)』

男「うん。本当はキャリーケースとかに入れないとダメなんだけど、それってロマンがないじゃない。やっぱりリュックとか身近にあるもののほうがロマンがあるじゃない。あわよくばフードとかお腹とかに潜ませたいよ俺は」

猫『そ、そう、なの?」

男「そうだよ。よし、じゃあ思い切って入ってみよう」

猫『う、うん。大丈夫かしら』

男「けっこう大きめのものにしてきたし、タオルとか敷いてるから大丈夫……多分」

猫『多分!?……ま、いいわ』ストン

猫『これでいいかしら?』

男「うん、バッチリだね。チャックは……これくらいでいい? 暗くない?」

猫『大丈夫よ、男』

男(リュックからこっちを見上げる猫ちゃん可愛い!)






38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:39:15.46 ID:MOKeotDIo



デパート内

猫『ねぇ……』

男『うん?』

猫『このリュックの右側、穴が空いてるんだけど』

男『うん。猫ちゃんが外を見られるようにね』

猫『穴あけちゃったの!?』

男『ああうん。でも元からちょっとソコは穴が空いてたんだよね。それをちょっと拡張しただけ』

猫『……そう。(嘘が下手ね)』

男『どう? よく見える?』

猫『人がたくさんいるわね』

男『今日は休日だからねー。あ、顔は出しちゃだめだからね』

猫『わかってるわよ。あなたに迷惑はかけられないもの』

男(可愛すぎ!)






39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:39:41.53 ID:MOKeotDIo



ぬいぐるみコーナー

男『よーし選ぶよー!』

猫『おとこっ! 私あっちの方のぬいぐるみが見たいわ!』

男『おっどれどれー?』

猫『そっちじゃないわ! こっち!』

男『おっとごめんよ。こっちねー』

猫『そっちでもない! あっち! あのクマのぬいぐるみのあるところよ!』

男『あーあれね! よし、今いくよー!』

猫『それはウサギのぬいぐるみでしょ!? ちょっと!?』

男(無邪気な猫ちゃん可愛い)






40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:40:09.22 ID:MOKeotDIo



猫『よくも、この私を弄んだわね……」

男『ごめんね。猫ちゃんが可愛いからつい』

猫『それで誤魔化される私じゃないわ』ツン

男『うーん。あ、そうだ。後でおいしい猫缶買いに行こうか』

猫『モノで釣ろうってわけ? それでもいいけど私は安くないわよ?』

男『じゃあ家帰ったらずっとなでなでしちゃう!』

猫『……それで手を打つわ』

男『えっ?(絶対高い猫缶買わされると思ってた)』

猫『なによ?』

男『いえいえ、慈悲深いお嬢様に感謝していたんですよ』

猫『わかればいいのよ、奴隷』

男『奴隷!? やっぱり奴隷なの!?』






41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:40:38.75 ID:MOKeotDIo



猫『妹の好みから考えて、こっちかこっちね』

男『ほう。以前の素行調査が役に立ってるね』

猫『当然よ。私は賢猫ネコ』

男『……それは』

猫『男の見てたアニメからの知識よ』

男「……」

猫『「はぁ、わっちわっちにされてぇ」』

男「!?」






42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:41:08.58 ID:MOKeotDIo



猫『それで、男はどっちのぬいぐるみが良いと思うのかしら』

男『そういう猫ちゃんは?』

猫『じゃあ一斉に言いましょう。白色のクマか、茶色のクマか。私たちの相性が試されるわね……!』

男『ふっふっふ。俺たちは最高のコンビ、だろ?』

猫『キメ顔で言わないでくれるかしら』

男『あれー? 完全にキマったと思ったのになー』

猫『じゃあ行くわよ、せーのっ』

男『白色!』
猫『茶色!』

男、猫『……』

猫『……ぬしとわっちは相容れないようじゃの』

男『それはもうやめてよ!!』

猫『大体、白って私とかぶってるじゃない』

男『あ、そういう理由だったのね。じゃあ茶色のクマにしようか』

猫『……あっさり折れたわね』

男『うん。元々猫ちゃんに選んでもらうつもりだったからね。じゃなかったらこんなリュックに入れてまで連れてきた意味無いでしょ』

猫『そういうことね』

男『そういうこと』






43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:41:35.53 ID:MOKeotDIo



男『よし。ぬいぐるみも買ったし、帰ろうか』

猫『そうね。ここもちょっと窮屈だわ』

男『そうだよね。じゃあ早く外に出ようね』

猫『そうしてくれると助かるわ』

デパートの外

男「はい猫ちゃんお疲れ様」ダキアゲ

猫『ふぅ。狭かったわ』

男「じゃ猫ちゃんを下ろして、代わりにぬいぐるみをリュックに入れてっと」

猫『男、私疲れたわ』ペタン

男「え? ああそうだよね。疲れたよね」

猫『もう色々なところに疲れが溜まってるわ』

男「そうだよねぇ。普通リュックの中なんて入らないもんね」スタスタスタ

猫『……だっこ』

男「……もう! 可愛いな猫ちゃんは!」タタタ ダキッ

猫『ふぁ、も、もっと優しく抱きあげなさいよ!』

男「ごめんね。可愛くてつい」ナデナデ


猫(……なんでこんなにおちつくのかしら)






44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:44:06.16 ID:MOKeotDIo



数日後 妹の誕生日

父「よーし母さん電気消してくれ」

母「はいはい」パチッ

「よーしお父さん、マジックでロウソクに火つけちゃうぞー」
「はい男、マッチ」
「OK。つけるよ」
「あれ? お父さんの声届いてないのかな? チャフ?」
『男どこ…どこにいるの?』
『ここだよ猫ちゃん、はい膝の上……って猫ちゃんって暗いところでも見えるよね?』
「ニャーン」
『可愛いけどずるい!』
「男、早く火つけなさい」
「あ、うん。……火つけたよ」
「おーう、それじゃあみんなで歌うぞー。せーのっ」

ハッピバースデイトゥーユー ハッピバースデイトゥーユー
ハッピバースデイ ディア いもうとー!
ハッピバースデイトゥーユー!!

男、母、父「おめでとー!!」パチパチパチパチパチ

猫「ニャーン!」

妹「いえーい!ありがとー!」

男「ほら、バスケで鍛えた肺活量で! 一息で消せよ!」

妹「うん!」フゥー!

父「おぉ! 流石は俺の子だな!」

母「私の血がいいのねぇ」

妹「ありがとお母さん!」

父「あれ? お父さんへの言葉が届いてないよ? ジャミング?」

男「父さん、電気つけてきてよ」

父「あれ? 風当たりが強い……ここだけ天候がどうかしちゃってるのかな?」パチッ






45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:44:41.92 ID:MOKeotDIo



――

――――

男「いやー食った食った。ケーキもおいしかったし大満足だなぁ」

妹「わたしもおなかいっぱいだよー」

猫『そうね。今日の猫缶は一味違ったわね』

男『猫缶ばっかりだと太りそうだね』

猫『乙女に対して言っていいことと悪いことがあるのは知ってるわよね?』

男『大丈夫、猫ちゃんがデブ猫ちゃんになっても愛せるよ』

猫『……』ガリッ

男「いたっ!」

妹「どうしたのお兄ちゃん」

男「いや、ちょっと舌を噛んじゃってね」

妹「いま何も食べてなかったのにね。 早口言葉でも言おうとしたの?」

猫『デリカシーのないことを言ったのよ』ニャン

男(怒ってる猫ちゃんも可愛いなぁ)






46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:45:08.67 ID:MOKeotDIo



父「今日は妹にプレゼントがあるんだぞー!」

妹「え、なになに?」ワクワク

母「はい、妹」

妹「うわーなんだろう。開けていい?」

父「どんどん開けなさい」


妹「あー! これわたしが欲しかったバッシュ!」

妹「ありがとう! お母さんお父さん!」

父「これからもバスケット頑張るんだぞ」

母「ずっとスタメンね」

妹「うん! 頑張るよ!」






47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:45:42.93 ID:MOKeotDIo



男「あー、ごほん。妹、俺からもプレゼントがあるんだけど」

妹「お兄ちゃんも!? どういう風の吹き回しなの?」

男「俺の時にプレゼントくれたでしょ。お返しだよ」

父「ヒュー!」

男「うるさいぞ父さん」

父「冷たすぎるぞ……ここがツンドラ地帯なの?」


男「はい、妹。誕生日おめでとう」

男「これは猫ちゃんが妹の好きそうなものを選んでくれたんだよ。ねー?」

猫『そうよ。間違いなく気に入るわ」ニャニャン

妹「猫ちゃんが? ほぇーそうなんだ……あけていい?」

男「もちろん」

ばさり モコモコ

妹「すっごく可愛いぬいぐるみだっ! ありがとう猫ちゃん! お兄ちゃん! 大事にするね!」

男「気に入ってくれてよかった。ね? 猫ちゃん」

猫「ニャーン!」

妹「あはは、猫ちゃんも喜んでる。わたしも嬉しいよー!」ホオズリ

猫「ニャニャン!」






48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:47:57.32 ID:MOKeotDIo



――

―――――

男の部屋

男「ふぃー。楽しかったね、猫ちゃん」

猫『そうね。楽しすぎてちょっと疲れちゃったわ』


男「……おいで、猫ちゃん」

猫『うん』トテトテ ポフ

男「やっぱり猫ちゃんと居るとあたたかいね」ナデナデ

猫『私も……あたたかいし……おちつくわ』

男「うん」

猫『ねぇ、おとこ』

男「うん?」

猫『家族ってあたたかいわね』

男「そうだね」ナデナデ

猫『これからもずっとこんな日常が続くといいわね』

男「続くよ」ナデナデ

猫『おとこは私にメロメロだから離れられないものね』

男「そうだね」ナデナデ

猫『でもね。私もあなたから離れられないから気にする事はないわ』

男「あれ? 今日はいつも以上に可愛いね」ナデナデ

猫『いつもかわいいわよ。おとこ……私、もうねむいわ』

男「よし、じゃあ寝よっか」

猫『わたしがねむるまで……ずっとなでなでしてて』

男「うん、いいよ」ナデナデ

猫『ずっとそばにいてね』

男「うん。もちろん」ナデナデ




猫『おとこ……わたしね、あなたのこと――』


男『――俺もだよ、猫ちゃん』






49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:48:23.67 ID:MOKeotDIo



――

――――


猫『男、起きなさい。遅刻するわよ』

男「うーん……頭に直接響く可愛い声だあ……」

猫『もう妹と父は出かけたわよ。ほらっ男も! 今日から3年生なんでしょ!』ペシペシ

男「うーんもふもふだぁ。よし、起きよう!」バサッ

猫『おはよう、男』

男「おはよう、猫ちゃん。いつもありがとね」

猫『もう、そんなの当然のことよ。はやく朝ごはん食べましょ。私おなかペコペコよ』

男「待っててくれる猫ちゃん可愛すぎ!」






50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:49:40.57 ID:MOKeotDIo



男「それじゃいってきまーす」

母「いってらっしゃい。あら、猫ちゃんは今日も行くのね?」

猫『私がいないと男は学校まで行けないからね』ニャンニャン

男「太ってきたから散歩したいんだって痛っ!」

母「何やってるのよ。猫ちゃんは賢いんだから悪口いったらわかるわよ」

男「そうでした」テヘ

男『冗談だよ猫ちゃん。猫ちゃんはいつもスレンダーで可愛いよ』

猫『当たり前でしょ。まったく私にメロメロだからって意地悪言わないでくれる? こどもなの?』

男『……そのこどもに夜はあかちゃんみたいに甘えてくるのにね』

猫「フシャー!」

男「おおう!? じゃあ行ってくる!」タタタタ

猫『待ちなさい! 男!』スタタタタ

母「車に気をつけるのよー!」



母「……今日も平和ねぇ」


おわり。






52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/23(金) 00:53:19.84 ID:MOKeotDIo



ここまでお読み頂いてありがとうございました

初SSでした。予想以上に難しくてワロタ
いろいろ見苦しいなと自分でも思います

ここまで全部自分のレスというラストサムライっぷりに震えが止まらない






55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/03/23(金) 01:00:52.94 ID:Jl3HP5HL0



おつおつ
可愛かった






56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府):2012/03/23(金) 01:14:02.38 ID:0DwWrW+Fo




すごく可愛かった。猫ちゃんの性格がどストライクで堪らなかったww
読み易くて見苦しいなんてそんな事全然無かったよ






58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/03/23(金) 08:01:25.86 ID:6dmerhQ0o




猫ちゃんモフモフしたい



引用元
男「猫ちゃんと意思疎通をとりたい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1332429124/
[ 2012/04/21 14:00 ] 動物SS | TB(0) | CM(0)
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